マンション売却における「買取」とは?買取の流れやメリットとデメリットを紹介。

- 2021.07.30
- マンション買取
マンション売却の方法には、主に「買取」と「仲介」の2種類あります。
この記事では、仲介と比較しながら、買取の特徴やメリット、デメリットを紹介します。
マンション売却における買取の特徴
マンション売却における買取の仕組みや流れについて説明します。
マンション買取の仕組み
買取は、不動産会社が買主となってマンションを買い取ります。
不動産会社は、買い取ったマンションにリフォームなどを行い、マンションの価値を上げて売ることで利益を得ます。
参考:仲介との違い
仲介は、買主が物件の購入希望者で、不動産会社が売主と買主の間に入り、買主を探します。そのため、売主は不動産会社に報酬として仲介手数料を支払います。
買取と仲介の違いは以下の表のとおりです。
買取 | 仲介 | |
---|---|---|
売主 | 物件の所有者 | 物件の所有者 |
買主 | 不動産会社 | 物件の購入希望者 |
売却期間 | 短期間で売却が可能 | 売却まで時間がかかる |
このように、買取と仲介は買主が異なります。
マンション買取の流れ
買取は、以下のような流れで行います。
- マンション買取の事前準備をする
- 複数の不動産会社にマンションの査定を依頼する
- 不動産会社を選択して売買契約を結ぶ
- 物件の引渡しをする
- 確定申告を行う
それぞれについて詳細に説明します。
マンション買取の事前準備をする
買取をするには、すぐに不動産会社に依頼するのではなく、事前の準備が大切です。
まず、自分の住んでいるマンションの相場を調べましょう。 相場を知らないと、不動産会社に査定価格を出してもらっても、それが適切かどうか判断することが難しいからです。
相場を知るために、類似物件の実際の成約価格や売却価格を確認しましょう。
さらに、売却に必要な書類をあらかじめ準備しておきましょう。準備をしておくことで、スムーズに計画通りの売却を行うことができます。
必要な書類は以下のようなものがあります。
- 登記済権利書
- 固定資産税納税税通知書、固定資産税評価証明書
- 印鑑証明書
- 本人確認書類
- マンションの管理規約、使用規則、維持費関連書類
また、上記とは別に、以下は任意で準備しておくと良いでしょう。
- 建築設計図書、工事記録書
- 購入した際の売買契約書、重要事項説明書
- 物件の間取り図、設備の仕様書
- 耐震診断報告書、アスペスト使用調査報告書
さらに、査定を依頼する前に、マンションの状態をきれいにしておくのが良いでしょう。 きれいに掃除し、設備を整えておくことで、不動産会社に対する印象が良くなり査定価格が高くなる可能性があります。 乱雑な状態だと、査定価格が低くなる可能性があります。
複数の不動産会社にマンションの査定を依頼する
事前準備が済んだら、不動産会社にマンションの査定を依頼しましょう。
不動産会社によって査定価格や条件が異なります。そのため、自分の希望条件に合った不動産会社を見つけるために、複数の不動産会社に査定を依頼して比較しましょう。
最近では、一括査定サイトのように、簡単に複数の不動産を比較できるサービスもあるので、活用してください。
不動産会社を選択して売買契約を結ぶ
複数の不動産会社に査定を依頼したら、自分の希望条件で買い取ってくれる不動産会社を選択して売買契約を結びます。
まず、重要事項説明を受けましょう。
重要事項説明とは、不動産売買の契約における重要な事項の説明のことです。
例えば、売買価格や手付金、物件の所有者についてなどです。
マンション買取の場合は一般的な仲介とは異なり、法律によって義務づけられていません。しかし、後々トラブルとならないように、行ってもらうよう依頼するのがおすすめです。
その後、契約書を作成します。契約書にサインと押印して契約締結です。
契約内容をしっかりと確認してからサインしましょう。
また、契約締結の際、手付金を受け取ります。 手付金とは、不動産の買主である不動産会社が、売主に対して支払う保証金のようなものです。契約が買主側によって破棄された場合、手付金はそのまま売主に渡されます。 反対に、売主側によって契約破棄された場合は、手付金を買主に返却すると同時に同額を買主に支払います。
基本的に、手付金は売買価格に充てられるケースが多いです。
物件の引き渡しをする
売主から不動産会社へマンションの部屋を引き渡します。 まず、司法書士により、必要書類の確認を行われ、記名と押印をします。 その後、鍵や管理規約などの説明書を不動産会社に引き渡して完了です。
確定申告を行う
マンションを引き渡して終了でありません。 マンション売却により、利益が出た場合、確定申告をする必要があります。 利益が出た場合、所得税と住民税を納める義務が発生するため、忘れないように気をつけましょう。 また、買取によって利益が発生しないかった場合も、義務ではありませんが、 確定申告をすることで税金の還元を受けることができる可能性があります。
買取のメリットとデメリット
マンション売却における買取の流れを紹介しましたが、買取と仲介は結局どちらが良いのでしょうか。 ここでは、仲介と比較した買取のメリットとデメリットを紹介します。
買取のメリット
買取のメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
- 短期間で現金化できる
- 築年数が経った物件でも売却が可能
- 契約不適合責任が免除される
- 近所の人に知られずに売却できる
- スケジュール管理がしやすい
それぞれについて詳しく説明します。
短期間で現金化できる
買取は仲介とちがい、買主が不動産会社です。 そのため、買主を探す手間や期間が必要ないため、短期間で現金化することが可能です。 早く手元に現金が欲しい方には買取がおすすめです。
築年数が経ったマンションでも売却が可能
仲介の場合、不動産会社が仲介して買主を探すため、築年数が経って老朽化したマンションなどはなかなか買主が見つからない場合があります。
それに対して、買取の場合は、不動産会社が買い取った後に、リフォームなどを行い物件の価値を上げた状態で売却活動をします。そのため、ある程度築年数が経った物件でもリフォーム前提のため買い取ってくれることが多いです。
契約不適合責任が免除される
契約不適合責任とは、物件の引渡し後に契約内容と異なる不備などが判明した際、売主が負う責任のことです。
例えば、契約後に屋根が壊れており、雨漏れが起こることが判明した、など欠陥があると契約不適合にあたります。買主は売主に対して、賠償請求をすることができます。
しかし、買取の場合は、この契約不適合責任が免除されるため、安心して売却できます。
近所の人に知られずに売却できる
仲介の場合は、物件の内覧や、売却のための不動産会社による広報などで、近所の人に物件の売却活動をしていることが知られやすいです。売却活動中であることを知られると、近所の人との関係や視線が気になったりする人もいるでしょう。
買取の場合は、不動産会社が物件を買い取るだけのため、近所の人に知られずに売却を完了できます。
スケジュール管理がしやすい
仲介とちがい、買取は買主を探す手間がないため、売却の計画をしやすいです。
特に住み替えの場合、新しい物件を購入するタイミングの見極めが必要なため、スケジュールを管理しやすいのはメリットです。売却金を購入資金に充てたいが、売却ができず、自分の希望に合った新しい物件を購入するタイミングを逃すのを防げます。
買取のデメリット
買取の最大のデメリットは、売却価格が仲介に比べて安くなることです。
前述のとおり、買取の場合、不動産会社は不動産を買い取った後、リフォームなどで手を加えることで、もとの物件よりも価値をあげた状態で売ります。 そのため、リフォームにかかる費用などを想定して、本来の市場価格から引いて買い取るため、仲介に比べて安くなることが多いです。
時間がかかっても高く売りたいという方は仲介のほうが良いでしょう。
買取を選んだ時の注意点
買取と仲介どちらが自分の希望に合っているのかを検討して、不動産売却を成功させましょう。 買取を選んだ時、どういったことに注意すれば良いのでしょうか。
相場を知る
まずは、自分が所有するマンションの相場を知りましょう。 相場を知らないと、買取価格が適正かどうか判断できません。
特に買取の場合は、仲介に比べて売却価格が安くなる傾向にあるため、 できるだけ良い条件で高く売るためにも相場を事前に調べておく必要があります。 相場を知るためには、過去の買取実績や、同じ建物の類似物件を確認しましょう。
契約条件の確認
買取の場合、不動産会社との契約になるため、重要事項の説明が義務づけられていません。 そのため、事前に契約内容をしっかりと確認する必要があります。 自分に不利益のある契約条件はないか、すみずみまでチェックしましょう。
複数の不動産会社を比較する
買取価格や契約条件で、自分の希望に合った不動産会社を見つけるには、1社だけに相談するのではなく、複数の不動産会社に相談しましょう。
買取は買主が不動産会社のため、仲介よりさらに不動産会社との信頼関係が重要です。 信頼できる不動産会社を見つけることで、満足できるマンション売却を実現しましょう。 複数の不動産会社に相談するためには、一括査定サイトを利用することをおすすめします。