マンション売却で避けたい不動産会社・担当者の6つの兆候


                マンション売却で避けたい不動産会社・担当者の6つの兆候

マンション売却で避けたいのは、査定価格が高い会社や、返信が遅い担当者そのものではありません。注意したいのは、査定価格の根拠を説明できない、契約を急がせる理由が曖昧、販売活動やREINS(レインズ)の状況が見えないなど、売主が判断するための情報を得られない状態です。気になる兆候があれば、まず事実と理由を確認します。説明を受けても疑問が解消しない、改善されない場合に、担当変更や別の不動産会社への依頼を含めて見直します。

不動産会社・担当者で確認したい6つの兆候
段階 気になる兆候 まず確認すること
契約前 査定価格だけ高く、根拠が曖昧 成約事例・住戸の評価理由
契約前 媒介契約をすぐ決めるよう求める 急ぐ理由・契約内容
契約前 質問への説明が曖昧 具体的な根拠・確認後の回答
契約後 販売活動が見えない 掲載先・問い合わせ・内覧状況
契約後 REINSや他社からの紹介状況に不自然な点がある 登録内容・取引状況
契約後 販売状況の報告が不足している 行った活動・購入希望者の反応・次の方針

契約前は「説明できるか」を3つの兆候で確認する

契約前は、売主が判断できる説明がそろっているかを確認します。気になる点があっても、理由を聞いて納得できれば、それだけで候補から外す必要はありません。

1. 高い査定価格なのに根拠が曖昧

他社より高い査定価格でも、直近の成約事例、住戸条件、競合物件、購入需要などから合理的に説明できることがあります。高いこと自体ではなく、「なぜこの価格なのか」を具体的に説明できるかを確認します。

  • 比較した成約事例が示されない
  • 他社より高く評価した理由がわからない
  • 「うちなら高く売れます」という説明だけで終わる
  • 価格の根拠を聞いているのに、媒介契約の話へすり替わる

このような場合は、その場で高い/低いを判断せず、根拠を質問します。査定内容そのものを比較するときは、不動産会社で査定価格が違う理由と比較方法も参考になります。

2. 媒介契約を急がせる理由が曖昧

早く販売を始める合理的な理由がある場合もあります。「今日契約を求められた」という1点ではなく、なぜ急ぐのか、契約内容を確認する時間があるかを確認します。

質問に答えるまえに署名を求める、「いま決めないと売れない」と根拠なく急がせる、媒介契約の違いを説明せず契約だけを求める状態なら、いったん持ち帰って確認するのが安全です。

3. 質問しても説明が曖昧

担当者がすべてを即答できる必要はありません。法務・税務・管理資料などは、確認後の回答が適切な場合もあります。

気をつけたいのは、わからないことを断定する、質問をはぐらかす、費用や契約条件を具体的に説明しない、前回と説明が変わったのに理由がない、といった状態です。即答の速さではなく、確認して正確に説明する姿勢があるかを見ます。

契約後は「販売状況が見えるか」を3つの兆候で確認する

4. 何をして販売しているのかわからない

媒介契約後に「問い合わせがありません」とだけ言われても、売主は販売状況を判断できません。どこへ物件情報を掲載したか、問い合わせや内覧があったか、購入希望者からどんな反応があったか、競合物件に変化があるか、今後何を行う予定かを確認します。

特定サイトへの未掲載や広告数だけで評価せず、販売方針と実際の活動内容を説明できるかを見ます。

5. REINSや他社からの紹介状況に不自然な点がある

専任媒介契約・専属専任媒介契約では、REINSへの登録が義務付けられています。売主は登録証明書を受け取り、売主専用画面で登録内容や「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」といった取引状況を確認できます。

不動産会社の報告とREINSの表示に食い違いがあれば、まず理由を確認します。ただし、表示だけで囲い込みを完全に判定できるわけではありません。

6. 販売状況の報告が不足している

専属専任媒介契約では1週間に1回以上、専任媒介契約では2週間に1回以上、業務の処理状況を報告する義務があります。一般媒介契約には同じ法定の定期報告義務はありませんが、報告を求めることはできます。

回数だけでなく、何を行ったか、問い合わせや内覧の状況、購入希望者の反応、今後の方針がわかるかも重要です。「連絡は来るが、何も判断できない」という状態なら、報告内容を具体化してもらいます。

囲い込みは両手仲介と同じではない

国土交通省は「囲い込み」を、一部の宅地建物取引業者が自社の利益のため、売主・買主双方の媒介を行うことを目的として、故意に物件の取引状況を隠し、売主の意向に反して物件の紹介を行わないような行為と説明しています。

売主側と買主側の双方を同じ不動産会社が媒介すること自体と、他社からの紹介を故意に妨げる囲い込みは別です。また、他社から内覧が入らない、問い合わせが少ないといった事実だけでも囲い込みとは判断できません。

2025年1月からREINSの取引状況登録が強化されています。
専任媒介契約・専属専任媒介契約のREINS登録物件では、取引状況の登録が義務化され、登録証明書から売主専用画面へアクセスしやすくなりました。売主は登録内容と不動産会社の説明が一致しているかを確認し、不自然な点があれば理由を質問します。

気になる兆候があれば、確認してから見直す

気になる兆候を見つけたときの対応
兆候 最初にすること 解消しない場合
査定根拠が曖昧 成約事例・評価理由を質問 他社の査定内容と比較
契約を急がせる 急ぐ理由・契約内容を確認 その場で決めず再検討
説明不足 質問を具体化して再確認 別担当者・別会社も検討
販売活動が不透明 活動内容・購入希望者の反応を確認 販売方針の見直しを相談
REINS等に疑問 登録内容・取引状況を確認 説明を求め、必要なら別途相談
報告不足 報告方法・内容を確認 契約内容を確認して今後を検討

媒介契約後に問題を感じても、対応を見直す余地はあります。ただし、契約の種類・期間・条項によって扱いが変わるため、即日解約できるとは一律にいえません。

  1. 気になる事実を整理する
  2. 担当者へ理由を確認する
  3. 必要なら責任者・会社へ相談する
  4. 媒介契約書の内容を確認する
  5. 改善しなければ担当変更や依頼継続の見直しを検討する

説明や連絡だけの問題なら担当変更で解決する場合があります。一方、REINS登録や販売情報の扱いなど組織的な問題なら、会社への依頼を見直す材料です。担当者の問題か、会社の運用かを分けて確認します。

具体例:高い査定価格と契約を急がされた場合

Aさんが3社へ査定を依頼し、A社4,200万円、B社4,300万円、C社4,800万円という査定価格が出たとします。金額は説明用の架空例です。

C社の担当者から「このマンションなら大丈夫です。今日、専任媒介契約を結びましょう」と言われても、この時点で「C社は問題がある」「4,800万円は誤り」とは判断しません。

  • 4,800万円の根拠となる成約事例
  • 他社より高く評価した住戸条件
  • 想定している販売方針
  • 今日契約する必要がある理由

これらを確認し、説明に納得できれば候補に残せます。根拠が曖昧なまま契約だけを繰り返し求められるなら、その場で決めず比較します。

この会社・担当者への依頼を続ける前の確認

  • □ 査定価格の理由を具体的に説明してもらった
  • □ 媒介契約を急ぐ理由と契約内容を確認した
  • □ 質問に対し、確認後も含めて具体的な回答がある
  • □ 販売活動の内容と購入希望者の反応を把握できている
  • □ 専任・専属専任の場合はREINSの登録内容・取引状況を確認した
  • □ 不動産会社の報告とREINS等の情報に不自然な差がない
  • □ 今後の販売方針を説明してもらっている
  • □ 問題が担当者個人か会社の運用かを切り分けて確認した

6つの兆候は、不動産会社を一度の出来事で決めつけるためのものではありません。気になる兆候 → 事実を確認 → 理由・説明を聞く → 解消しなければ見直すという順序で判断します。

媒介契約前で比較対象が少ない場合は、マンション売却の一括査定の仕組みと利用判断を確認し、複数社へ査定を依頼する方法もあります。契約後は、契約内容と販売状況を確認します。


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参考資料

  • 国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
  • 国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!」
  • e-Gov法令検索「宅地建物取引業法 第34条の2」
  • e-Gov法令検索「宅地建物取引業法施行規則 第15条の10・第15条の11」
  • 国土交通省「標準媒介契約約款」
  • 公益財団法人 東日本不動産流通機構「媒介契約制度」