マンション売却に強い不動産会社はどう見分ける?


                マンション売却に強い不動産会社はどう見分ける?

マンション売却に強い不動産会社は、会社の知名度や取引件数、査定価格の高さだけでは判断できません。確認したいのは、中古マンションの売却仲介の経験、売却する地域や似たマンションに詳しいか、査定価格の根拠、今回のマンションをどう売るのか、購入希望者へどう情報を届けるのかです。大手か地域密着かも規模だけで決めず、「このマンションを誰に、どう売るのか」を具体的に説明でき、売却したい時期や目的に合わせて進め方を考えられる会社を候補に残します。

マンション売却に強い不動産会社を見る6項目
確認項目 何を見るか 判断するときの注意
マンション売却経験 中古マンションの売却を仲介した経験があるか 会社全体の総取引件数だけで判断しない
地域・類似マンションの実績 同じ地域・駅・似たマンションを扱った経験 同じマンションの実績がないだけで除外しない
査定の根拠 成約事例・住戸条件・現在の競合物件 査定価格が高い順に会社を選ばない
売り方 誰に、何を強みとして、どう売るのか 「高く売る」という説明だけで判断しない
情報の届け方 どのように購入希望者へ情報を届け、問い合わせや内覧の反応を確認するか 購入希望者の数や広告媒体の数だけで判断しない
売却計画 売却したい時期や目的を踏まえた進め方 会社の決まった進め方を当てはめるだけになっていないか

マンション売却に強い会社は「今回どう売るか」で見る

ここでいう「マンション売却に強い会社」とは、単純に会社全体の取引件数が多い会社ではありません。今回と似たマンションの売却経験があり、その地域にも詳しく、査定価格の理由から実際の売り方まで説明できる会社と考えます。

マンションの売却では、査定をしたあと、物件情報を作り、購入希望者へ知らせ、問い合わせや内覧につなげていきます。自社で対応している購入希望者だけでなく、不動産ポータルやほかの不動産会社を通じて紹介する場合もあります。

そのため、会社名や規模だけを比べても「今回のマンションをどう売るのか」はわかりません。その会社が持つ経験や地域の情報、購入希望者へ知らせる方法を、今回のマンションの売却にどう生かすのかまで確認します。

売却実績は件数ではなく中身を見る

不動産会社の公式サイトには、「売買実績○万件」「年間取扱件数○件」等の数字が掲載されていることがあります。実績が多いことは参考になりますが、その数字が今回の中古マンション売却とどこまで関係するかは別に確認します。

同じ「実績」でも、数えている対象は会社によって異なる可能性があります。

  • マンションだけか、土地・一戸建ても含むか
  • 売却側の仲介だけか、購入側の仲介も含むか
  • 仲介だけか、買取等も含むか
  • 全国の全店舗か、対象地域・担当店舗の実績か
  • 直近の実績か、長期間の累計か
  • 契約件数・取扱件数・取扱高のどれか

たとえば、全国の土地・一戸建て・マンションを合計した取扱件数が多くても、今回売る地域の中古マンションをどの程度扱っているかは、その数字だけではわかりません。

「実績が多いか」だけでなく、「その実績のなかに今回の売却と関係する経験があるか」まで確認すると、今回の売却に役立つ実績かどうかを見分けやすくなります。なお、公式サイトにすべての売却実績が掲載されているとは限らないため、掲載情報だけで実績の有無を決めず、査定・相談時にも確認します。

同じマンションの実績は「あるか」より「どう使うか」

同じマンションや近隣マンションの売却経験は、会社を見る有用な材料です。過去の成約事例に加えて、問い合わせや内覧で得た反応、周辺のどのマンションと比較されやすかったか等を把握している場合があります。

ただし、同じマンションを売った経験があるだけで、今回も最も高く、早く売れるとは限りません。売却した時期の相場が異なる場合があり、所在階・方角・専有面積・間取り・室内状態等も住戸ごとに違います。

したがって、「このマンションを売ったことがありますか?」だけでなく、「その経験を今回の査定や売り方にどう生かしますか?」まで確認します。

反対に、同じマンションの売却実績がなくても、現在の成約事例や競合物件、その地域でどのような中古マンションが比較されているかを調べ、根拠のある売り方を説明できる会社なら候補になります。

査定価格の根拠から実際の売り方まで説明できるか

査定価格が高い会社だから、マンション売却に強いとは限りません。一方、査定価格が低い会社だから、最も現実的とも限りません。会社選びでは、「なぜこの査定価格なのか」を説明でき、その理由が「誰に、どう売るのか」という実際の売り方までつながっているかを確認します。

たとえば、どの成約事例を参考にしたのか、対象住戸の条件をどう見たのか、現在売り出されている競合物件をどう考えているのか。そのうえで、どのような購入希望者を想定し、今回のマンションの何を強みとして伝えるのかを聞いてみます。

売主の希望や事情も、売り方に関係します。価格を優先するのか、期限を優先するのか、住み替えの予定があるのか、住宅ローン残債があるのか、内覧に対応できる曜日が限られるのかによって、適した進め方は変わります。

会社の決まった売り方をそのまま当てはめるのではなく、自分が売却したい時期や目的を踏まえて進め方を考えてくれるかも確認してください。

複数社の査定価格に差があり、価格差の理由や査定根拠を詳しく比べたい場合は、複数社の査定価格と査定根拠を比較する方法で確認できます。

購入希望者に情報を届け、販売開始後の反応まで確認できるか

「購入希望者をたくさん抱えています」「広告をたくさん出します」という説明は、会社の強みになる場合があります。ただし、それだけで今回のマンションを売る力があるとは判断できません。

会社を見るときは、物件情報をどのように購入希望者へ届けるのか、マンションの特徴をどう伝えるのか、問い合わせや内覧の反応をどのように確認するのかを見ます。

REINSを含め、購入希望者へどう情報を届けるか

不動産会社間では、REINS(レインズ)という不動産会社向けの物件情報システムが利用されています。不動産会社が物件情報をREINSへ登録すると、ほかの会員不動産会社も検索でき、それぞれが対応している購入希望者へ紹介することができます。

マンションの情報が購入希望者へ届く経路の例

売主
↓
売却を依頼する不動産会社
├ 自社で対応している購入希望者・他店舗等
├ 不動産ポータル・自社サイト等
└ REINS(レインズ) → ほかの不動産会社 → 購入希望者

専属専任媒介契約と専任媒介契約では、REINSへの物件情報の登録が法律上義務付けられています。一般媒介契約では法律上の登録義務はありませんが、REINSへの登録は可能です。

そのため、「REINSへ登録します」という説明だけでは、その会社ならではの強みとはいえません。REINSへ登録したあと、ほかの不動産会社からの問い合わせや紹介にどう対応するのか、自社で対応している購入希望者や他店舗、不動産ポータル等も含めて、どのように購入希望者へ知らせる予定なのかを確認します。

なお、同じ不動産会社が売主・買主双方を仲介する「両手仲介」と、売主の意向に反してほかの不動産会社から購入希望者を紹介される機会を狭める「囲い込み」は同じものではありません。両手仲介というだけで会社を判断せず、売主の意向に沿って、どのように購入希望者へ物件情報を知らせるのかを確認します。

媒体数より、マンションをどう見せるかを確認する

販売活動では、不動産ポータルや販売図面等に、価格や物件概要だけでなく、間取り、写真、マンションの特徴等が掲載されます。同じ媒体へ掲載しても、どの特徴を選び、どのように伝えるかによって購入希望者が受け取る情報は変わります。

そのため、「ポータルサイトに掲載します」「広告をたくさん出します」という説明だけでは、今回のマンションに合った売り方かまではわかりません。

「このマンションのどこを強みとして、どのように購入希望者へ伝える予定ですか?」と聞いてみると、今回のマンションをきちんと見たうえで売り方を考えているか確認しやすくなります。

販売を始めたあとの反応をどう確認するか

物件情報を公開したあとは、問い合わせが入ったか、内覧につながったか、問い合わせや内覧でどのような反応が得られたかを見ながら販売を進めます。

会社を選ぶ段階では、問い合わせ数や内覧数の基準まで決める必要はありません。ただし、販売開始後の反応をどのように確認し、売主へどのように伝える予定なのかは聞いておくとよいでしょう。

広告を出して終わりではなく、問い合わせや内覧の反応を売主へ伝え、その後の売り方を相談できる会社かを確認します。

大手・地域密着は規模だけで決めない

大手と地域密着会社には、それぞれ異なる特徴がある場合があります。ただし、会社が大きいという理由だけで、マンション売却に強いとは判断しません。

大手と地域密着会社で確認したいこと
視点 大手で確認 地域密着会社で確認
地域・類似マンションの実績 会社全体ではなく、担当店舗・部署でどのようなマンションを扱っているか 地域での実績のなかで、中古マンションをどの程度扱っているか
購入希望者への紹介 自社で対応している購入希望者や他店舗との連携を今回どう生かすか 地域でマンションを探している人への紹介を今回どう生かすか
情報の届け方 会社の店舗網や広告を今回のマンションにどう生かすか 地域での情報発信やほかの不動産会社とのつながりをどう生かすか
査定・売り方 今回のマンションについて、査定の理由と売り方を具体的に説明できるか 今回のマンションについて、査定の理由と売り方を具体的に説明できるか

大手であれば、複数の店舗、自社に相談している購入希望者、社内の販売体制等を持っている場合があります。ただし、会社全体が大きいことと、今回の地域やマンションに詳しいことは同じではありません。

地域密着会社であれば、特定地域で継続的に営業し、周辺マンションや、その地域でマンションを探している人について詳しい場合があります。ただし、「地域密着」と掲げているだけで、その地域の中古マンション売却に必ず詳しいとは限りません。

大手か地域密着かを先に決めるのではなく、その会社が持つ経験や購入希望者への紹介方法を、今回のマンションの売却にどう生かせるのかで比べます。

こんな説明だけで会社を決めない

査定や相談では、不動産会社から自社の強みについてさまざまな説明を受けます。次のような説明自体に問題があるわけではありません。本当に強みがある場合もあります。ただし、その一言だけで会社を決めず、今回のマンションについてもう一歩確認します。

会社からの説明と追加で確認すること
会社からの説明 追加で確認すること 確認する理由
「他社より高く売れます」 その査定価格を支える成約事例や住戸条件、現在の競合物件は何か 高く評価する具体的な理由があるか確認する
「このマンションを買いたい人がいます」 どのような条件で探している人か。その人以外にはどう販売する予定か その人だけに頼らず、ほかの購入希望者にも販売する予定があるか確認する
「うちは購入希望者を多く抱えています」 自社で対応している購入希望者以外には、どのように物件情報を届ける予定か ほかの購入希望者にも情報を届ける方法があるか確認する
「広告をたくさん出します」 誰に、どの特徴を、どの媒体で伝える予定か。販売開始後の反応をどう確認するか 今回のマンションを誰に、どう伝えるつもりなのかを確認する
「実績○万件です」 対象期間、地域、物件種別、売却仲介、担当店舗等の内訳はどうか 今回の中古マンション売却と関係する実績か確認する

1つの質問にすぐ答えられなかっただけで、その会社を除外する必要はありません。追加で聞いたときに、今回のマンションについて具体的に答えられるかを見ます。

会社名の知名度や査定価格の高さ、取扱件数の多さだけで候補を決める必要はありません。今回と近いマンションの売却経験があり、査定価格の理由や売り方、購入希望者へ情報を届ける方法を具体的に説明できる会社を候補に残します。

会社がよさそうでも、実際に売却を担当する人は別に確認する必要があります。実際の担当者について、説明・提案・継続対応のどこを見るかも確認してから、売却を任せる相手を考えてください。

まだ候補の不動産会社がない場合は、複数社へ査定を依頼して比べる方法があります。一括査定を使う方法もあります。利用するか迷う場合は、一括査定の仕組みと、利用が向く場合・向かない場合を確認したうえで判断してください。

査定価格だけでなく、売却実績や売り方も比べてみましょう

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参考資料