マンションは築年数が古くても売却できる?築年数による売却価格の違いを解説


                マンションは築年数が古くても売却できる?築年数による売却価格の違いを解説

築年数が経ったマンションは価値が下がると言われていますが、実際に築年数は価値にどれほどの影響を与えるのでしょうか。

今回は、マンションを売却する際に築年数がどのような影響を与えるのかについて紹介します。

マンションの売却価格を決める4つの要素

まず、マンションの価格がどのように決まるのかを紹介します。
マンションの売却価格は、

  • 築年数
  • 部屋の状態
  • 周辺環境
  • 建物の管理状況や設備

主にこれらの4要素で決まると考えられています。

築年数

築年数は、マンションの売却価格を決める重要な指標です。

築年数が経過すると、建物や設備が劣化し、資産価値が落ちます。
そのため、同じ条件のマンションでも築5年と築30年を比較すれば、築30年の方が、売却価格が低くなります。

部屋の状態

間取りや日当たりのよさによっても売却価格は変わります

同じ建物内でも、南向きの部屋と北向きの部屋では、人気が異なります。
一般的に、南向きの部屋は一番日当たりが良く、価値が高いとされています。

同じ条件の物件では、南向きを100%とした場合、北向きの物件は90%、東向きの物件は93~97%、西向きの物件は91~95%程度の価値になるといった調査結果もあります。

周辺環境

マンションの周辺環境は、生活をしていく上で大切な要素です。

例えば、以下のような環境の有無によっても売却価格は異なります。

  • 最寄りの公共交通機関から近い
  • スーパーやショッピングモールがある
  • 治安が良い

これ以外にも、公園や学校に近い場合などは、子育て世代や若いファミリー層からにとって住みやすい環境のため、売却価格に良い影響を与えるでしょう。

建物の管理状況や設備

マンションの場合、共有部分の管理が行き届いているかも売却価格を決める重要な要素です。

例えば、エントランスや廊下はきれいに清掃されているか、ポストや駐輪場は使いやすいように整頓されているか、などがポイントです。

また、それに伴い、マンションの設備も売却価格を決めるポイントです。
例えば、そのほかの部分では全く同じ条件のマンションでも、

  • エレベーター
  • オートロック機能
  • 24時間ごみ置き場
  • インターネット設備
  • 宅配ボックス

などがあると、売却価格が高くなる可能性があります。

マンションの相場

売却するマンションが建つエリアの需要やニーズによって変化するマンション相場も、売却価格に影響を与えます。

マンションの相場は、不動産ポータルサイトでの物件の売却状況や、国土交通省の不動産取引価格情報検索で類似物件を確認できます。

また、不動産価格指数では相場の推移を確認できるため、相場が高い時期を見極めて最適な売却時期を選びましょう

その他にも、複数の不動産会社に相談をして比較をする方法も有効です。

最近では、不動産一括査定サイトといったサイトを利用することで、一括で複数の不動産会社に問い合わせることもできます。

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マンションの築年数が経つと売却価格が下がる理由とは

築年数は、売却価格を決める重要な要素です。

東日本不動産流通機構が発表した「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2020年)」には、中古マンションの築年帯別平均価格が集計されています。

中古マンションの築年帯別平均価格
中古マンションの築年帯別平均価格

中古マンションの平均価格が成約件数と新規登録物件 ともに築年数が経つごとに下がっていることが分かります。
新規登録件数とはレインズに新規で登録された物件数のことです。
レインズは、国土交通大臣指定の不動産部兼情報交換のためのネットワークシステムで、全国の不動産会社が利用しています。

このように築年数が経つと売却価格が下がる理由として、以下のようなことが挙げられます。

  • マンションが劣化する
  • 修繕費積立金が高い
  • 設備が時代に合っていない

それぞれについて詳しく解説します。

マンションが劣化する

マンションの築年数が経過すると、建物の劣化が進みます。
建物の劣化には、以下のようなものが挙げられます。

  • 外壁のひび割れ
  • 建物の構造からのひび割れ
  • 遮熱性能の低下
  • 腐食

これらにより、マンションの資産価値が落ち、売却価格が下がる原因になります。

修繕積立金が高い

修繕積立金とは、将来マンションの修繕が必要になった時のために、入居者が毎月支払い、積み立てていくものです。例えば、外壁や屋根の改修工事やポストの取り換えなど、共有部分に対して使われます。

修繕積立金は、築年数が古いマンションほど高くなる傾向にあります。
その理由として、経年劣化により修繕が多くなっている場合、修繕費が足りないため、修繕積立費を値上げしている可能性があるからです。

高い修繕積立金が設定されていると、購入希望者が集まりにくいため、その分売却価格を低くする必要があります。

設備が時代に合っていない

マンションにも、洋服などのように流行があります。
ライフスタイルは年々変化しており、その時代に合ったマンションは人気です。
例えば、近年は、ルーフバルコニーがある物件や全居室が横並びの物件が人気です。

古い間取りや設備の物件は需要が下がるため、売却価格を下げないと売れなくなります。

マンションの築年数による変化。築20年が境界?

では、実際、築何年までなら売れるのでしょうか。

東日本不動産流通機構が発表した「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2021年01~03月】」による首都圏における中古マンションの平米単価を表にまとめると以下のようになります。

首都圏における中古マンションの平米単価
平方単価(万円) 下落割合(%)
~築5年 92.4
~築10年 80.7 -13
~築15年 68.9 -15
~築20年 62.6 -10
~築25年 52.2 -17
~築30年 35.3 -33
築30年~ 34.4 -3

この表を参考にそれぞれ詳しく見ていきましょう。
将来的にマンション売却を検討しているが、今すぐには売却をしなくても大丈夫だろうと考えている人は、必ず確認してください。

築10年のマンションの場合

現在、中古マンションは需要が高まっている傾向にあります。

その理由として、数年前に比較して、新築の戸数が減少していることがあります。
不動産経済研究所が発表した「首都圏マンション市場動向2020年度」をみると、年々新築の供給戸数が減少傾向にあることが分かります。

首都圏における供給戸数
首都圏供給戸数(戸) 対前年増加率(%)
2014年度 44,529 -19.4
2015年度 38,139 -14.4
2016年度 36,450 -4.4
2017年度 36,837 1.1
2018年度 36,641 -0.5
2019年度 28,555 -22.1
2020年度 29,032 1.7

そのため、新築の供給数が減った分、購入需要が中古に流れる可能性があります。そのため、築10年であれば、比較的建物の劣化も進んでいないため、まだまだ需要が高く、売れやすいマンションだといえるでしょう。

築20年のマンションの場合

マンションの価格は築20年~25年目あたりで急激に下がるといわれています。
首都圏における中古マンションの平米単価を見ても分かるように、築25年までのマンションと築30年までのマンションで急激に単価が下がっていることが分かります。

高くマンションを売りたい人は、築20年~25年を目安に売却計画を立てましょう。

築30年以上のマンションの場合

築30年以上のマンションはちょうどバブル期に建てられたものです。バブルの時期には次々と建物が建てられていたことから、立地の良い場所に建てられているマンションも多いです。

しかし、築30年を超えた建物は、修繕積立金が高い場合があります。
そのため、修繕積立金を差し引いた金額に売却価格を下げなければ、購入希望者が来ない可能性があります。

さらに、築30年以上のマンションは、リフォームやリノベーションを前提としている場合が多いです。そのため、リフォームなどの費用も差し引いた価格設定をしましょう。

売却前に最低限の修繕などは行い、購入希望者の購入意欲を上げるようにしましょう。

売り時を逃さないようにしよう

築年数が変わるだけで、売却価格が変化することが分かったはずです。
今住んでいるマンションをいつまでに売却するべきか、住み替えを検討する参考にしてください。より良い生活を送るために、売り時を逃さないようにしましょう。

しかし、築年数が経っていても価格設定や工夫をすることで売却は可能です。
そのためにも、信頼できる不動産会社に相談することが大切です。実力のある不動産会社に相談すれば、適切な売却時期や価格設定を行ってくれます。

信頼できる不動産会社を選ぶためには、1社だけでなく複数の不動産会社に依頼して比較しましょう。不動産の一括査定では、簡単に一度で複数の不動産会社に依頼することができるため、活用しましょう。

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