マンションの売却費用は抑えられる?戻るお金や節税ポイントをまとめて解説!
所有するマンションを売却するなら、少しでも余計な費用をかけたくないですよね。そこで今回は、マンションを売却する際にかかる費用と、手続き次第で還ってくるお金、そして節税をする方法について解説します。
マンション売却の流れを知らない方は、まずこちらから売却の手順を確認しましょう。
マンション売却費用の一覧
まずは、マンションを売却する人が押さえておきたい費用は、以下の3つです。
- 仲介手数料
- 住宅ローン費用
- 税金
仲介手数料については、細かな規定があるため、後ほど詳しく解説します。ここでは、住宅ローンに関する費用と税金について詳しく説明します。
住宅ローンに関する費用
マンションに住宅ローンの残債がある場合、売却する際に残債を一括返済する必要があります。これに関して、2つの費用がかかる可能性があります。
- 住宅ローンの全額繰上返済にかかる手数料
- 司法書士報酬
ほとんどの金融機関では、一括返済に対して手数料がかかります。あらかじめ金融機関に一括返済にかかる手数料を確認するようにしましょう。 住宅ローン完済後には、マンションに設定された抵当権を抹消します。 登記手続きでは、司法書士に依頼するもあります。その際に、司法書士報酬として、1~2万円程度の費用が発生すると考えておきましょう。
所得税、住民税および印紙税
マンション売却時には、以下のような税金が発生します。
- 所得税
- 住民税
- 印紙税
- 登録免許税
マンションの売却代金から、経費に計上できるいくつかの項目を差し引いて計算した所得を、譲渡所得といいます。所得税および住民税は、この譲渡所得に対して課せられる税金です。 所有期間が5年以下ならば譲渡所得の39%、5年超ならば譲渡所得の20%が、所得税および住民税として課税されます。なお、税額は確定申告によって決まるため、売却した翌年に支払いが発生します。
印紙税は買主と締結する売買契約書にかかる税金です。印紙税は、収入印紙の購入により納付することができます。契約書に貼付することで効力をもち、納税額は、契約書に記載された金額に応じて定められています。いくつか例として紹介すると、1,000万円以下であれば1万円、5,000万円以下は2万円、1億円以下は6万円です。 なお、収入印紙が貼られていない場合、契約自体は有効になりますが、過多税として印紙税の額とその2倍に相当する金額の合計、つまり印紙税額の3倍が徴収されることがあるので注意してください。
登録免許税は、登記に関する税金です。法務局で管理される登記簿の内容を変更する際に、不動産1戸(筆)につき1,000円が課税されます。
マンション売却の仲介手数料について解説
マンションを売却する場合は、一般的には不動産会社に依頼して行います。不動産会社はマンションを売却するためにさまざまなサポートをしてくれるため、売却を成立させてくれた不動産会社には手数料を支払う必要があります。その報酬のことを仲介手数料といいます。
媒介契約と仲介手数料
不動産会社に売却を委託するために交わす契約のことを、媒介契約といいます。 媒介契約には、以下の3種類があります。
有効期限 | レインズへの登録義務 | 依頼主への報告義務 | |
---|---|---|---|
一般媒介契 | なし | なし | なし |
専任媒介契約 | 最大3か月 | 7日以内 | 2週間に1回以上 |
専属専任媒介契約 | 最大3か月 | 5日以内 | 1週間に1回以上 |
簡単に説明すると、複数の不動産会社と契約できるのが一般媒介契約、1社のみとしか契約できないのが専任媒介契約と専属専任媒介契約です。
レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している不動産の情報流通システムです。レインズを活用することができれば、売買までにかかる期間を短縮できたり、マンション適正価格を把握できたりする可能性が高くなります。
媒介契約の契約書によって、仲介手数料の額が決められています。なお、仲介手数料は成功報酬ですので、買主との売買契約が成立した場合にのみ支払います。媒介契約を締結しただけでは、仲介手数料は発生しません。
仲介手数料の限度額
仲介手数料については、宅建業法で売買価格に応じた報酬の限度額が設けられています。
売買価格200万円以下 | 売買価格×5% |
---|---|
売買価格200万円超~400万円以下 | 売買価格×4%+2万円 |
売買価格400万円超 | 売買価格×3%+6万円 |
なお、仲介手数料に対して消費税はかかります。 また、マンション売却にあたり不動産会社が行う広告宣伝や出張の費用については、売主に請求することができないと定められています。ただし、例外として売主が別途依頼して行う広告宣伝や現地調査の費用に関しては、売主の事前承諾を得た場合に追加して請求することが可能です。
マンションの売却費用シミュレーション
では、具体的な例に基づいて仲介手数料の上限額をシミュレーションします。
◯マンション価格2,000万円(税抜)の場合 仲介手数料・・・2,000万円×3%+6万円=66万円(税抜)
ただし、上記はあくまでも上限額であり、必ずしも上記金額が発生するというわけではありません。 国土交通省は、宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方として「報酬の限度額を当然に請求できるものではなく、具体的な報酬額については、宅地建物取引業者が行おうとする媒介業務の内容等を考慮して、依頼者と協議して決める事項であること」としていますので、業務内容に照らし合わせて仲介手数料が高いと思う場合は、不動産会社と協議することも可能です。
マンション売却費用・税金を抑える方法は?
ここまで、売却にかかる一般的な費用や税金について紹介しました。それでは、それらの費用や税金を抑えることはできるのでしょうか?
費用として払ったあとに戻るお金
マンション売却によって戻ってくるお金は、以下の3つです。
- 住宅ローン保証料
- 火災保険料
- 固定資産税
住宅ローン保証料は、金融機関に住宅ローンを借りる際、金融機関が指定する保証会社に保証してもらうための費用です。 「一括前払い方式」と「金利上乗せ方式」の2通りの支払い方法があり、一括前払い方式の場合は住宅ローンの年数分の保証料を一括で支払い済です。したがって、住宅ローンの返済期間中にマンションを売却した場合は、残期間分の保証料が返還されます。 火災保険も同様に、長期契約の一括払いをしていて保険期間中にマンションを売却した場合、残期間に応じた解約返戻金が戻ってきます。
少し考え方が複雑なのは、固定資産税です。固定資産税は、1月1日時点のマンション所有者に対して、1年分の納税義務が発生します。マンション売却時には、すでに1月1日時点での所有者が固定資産税を支払い済ですので、売買契約書にその旨を記載することにより引渡日以降の税金が戻ってきます。
◯記載例 「本物件に対して賦課される公租・公課は、引渡日の前日までの分を売主が、引渡日以降の分を買主が、それぞれ負担する」 マンションを売却する際は、売買契約書に上記のような文言が記載されていることを確認するようにしましょう。
節税できるポイント
マンション売却時、所得税(譲渡所得)に関していくつかの特例があります。それらを有効活用することで節税することが可能です。 主な特例は、以下の2つです。
- 居住用財産の3,000万円の特別控除
- 居住用財産の軽減税率の特例
居住用財産の3,000万円の特別控除とは、居住用財産を売却して得た譲渡所得から3,000万円までを所得控除することができるというものです。 つまり、マンションの売却益が3,000万円以内であれば、所得税はかかりません。 居住用財産の軽減税率の特例とは、所有期間が10年超の居住用財産を売却した場合、6,000万円以下の譲渡所得に対して通常は20%の所得税および住民税の税率が、14%にまで軽減されるというものです。 なお、軽減税率の特例と3,000万円の特別控除は併用できます。
ただし、上記の特例は、住宅ローン特別控除との併用ができないので注意が必要です。住宅ローン特別控除とは、住宅ローン年末残高の1%が所得税の控除を受けられる制度です。控除額の大きい方を適用するために、どちらを適用するか専門家に相談して決めましょう。
マンションを高く売ることが大切!
マンションはどこの会社に売却してもらうかによって数百万円もの差が生じます。つまり、費用や税金にかかる数万円にこだわるよりも、高く売ることに注力することで結果として高い利益を得ることが可能だということです。
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