マンション査定の注意点・ポイントとは?高く売るための準備を解説
- 2021.05.24
- マンション査定
中古マンションの査定は注意点だらけです。
事前に準備をしていたかどうかで中古マンションの査定結果、ひいては売却価格に大きな差が出てしまいます。
今回は、マンション売却で成功するために、注意を払うべきポイントをご紹介します。
マンション査定の注意点。査定に成功するためのコツをおさえよう
売却価格相場の把握
不動産会社にマンションの査定を依頼する前に、まずご自身で必ずマンション売却の相場価格を把握しておきましょう。
訪問査定の際に不動産会社から提示される査定金額が高いのか低いのか判断する指標になるからです。相場感が曖昧だと、マンション売却に失敗してしまう可能性が高まります。
相場よりも高額な査定金額を提示され、売却の依頼をした(媒介契約を結んだ)けれども、実際には相場から大きく外れた金額だったため買い手が見つからず、売却活動が長期化したあげく、最終的には相場よりも値下げして売却することになったというトラブルも起こっています。
このようなトラブルを避けるためにも、事前に必ず相場を確認しましょう。
相場を調べるには物件情報サイトや不動産ポータルサイトが便利です。
取引事例から自分のマンションと類似した条件の物件を探し、いくらで売りに出ているかを把握してください。
- 最寄り駅
- 駅からの距離
- 広さ
- 築年数
- 間取り
これらの条件が類似していると理想的です。
中古マンション査定で見られるポイントをおさえる
マンション査定で不動産会社の担当者はどこを見ているのか知っておきましょう。
中古マンションの査定では「取引事例比較法」がよく用いられます。
取引事例比較法は、対象物件と同じマンションの別の部屋や周辺の類似したマンションの成約価格を参考にし、それをもとに対象物件の長所・短所を加味して適正価格を算出する方法です。
この取引事例比較法で実際にどのような査定が行われるのか、不動産流通推進センターが公開している「価格査定マニュアル」から8つのポイントを紹介します。
交通の便 | 駅徒歩分・バス分 など |
---|---|
近隣の状況 | 店舗等への距離・周辺環境 など |
住戸位置 | 所在階・方位・日照採光 など |
専有部分 | 維持管理状況・騒音振動・眺望景観 など |
敷地 | 所有権or借地権 |
共用部分 | 外壁の状況・エントランス・耐震性 など |
設備・施設 | セキュリティ・駐車場・コミュニティ施設 など |
維持管理 | 計画修繕の実施・保守清掃・管理員 など |
不動産流通推進センター「価格査定マニュアルによる中古戸建住宅の査定」
このポイントを把握しておくと査定手続きの理解が深まります。
複数社の検討
マンションを高く売りたいなら必ず複数社を検討してください。
不動産会社によって提示する査定金額が異なるからです。
不動産会社とのやりとりを面倒に感じてしまい、一社に絞ってしまうと数百万円損をしてしまうかもしれません。
一括査定サイトを利用して複数社の査定結果を得ましょう。
早期に訪問査定
査定方法には2種類あります。
- 簡易査定:現地の物件を見ずに、データで査定する。
- 訪問査定:実際に物件を見て、具体的かつ詳細に物件を査定する。
つまり、本当にマンションの売却を考えているのであれば、訪問査定が必要になります。
マンションを売却したいという気持ちが固まっているなら、早期に訪問査定を依頼しましょう。
査定ステップを早めると、築年数を重ねずに済むため、高額売却に有利に働きます。
高く売るために事前にやっておくべき準備のポイントは?
書類の準備
査定にあたって必要な書類を事前に準備しておきましょう。
査定手続きを円滑に進めることができるからです。
マンション売却において売主が用意すべき書類は下記です。
- 登記済権利書・登記識別情報
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 図面・設備仕様書
- 固定資産税通知書
- 維持費に関する書類
- マンション規約
- 設備に関する書類
- 鍵
- マンションのパンフレット など
この10点を事前に準備しておきましょう。
簡単な掃除
訪問査定前に簡単な清掃を行っておくと良いです。
実は清掃されているかどうかは査定の評価項目にはありません。しかし、訪問査定では、不動産会社の方を部屋に呼んで状態確認をしてもらうため、過度に散らかっている生活感のある部屋は望ましくありません。
- 玄関
- 水回り
- ベランダ
このあたりの汚れも確認しておきましょう。不動産会社の担当者だけではなく、売りに出した後に内見に訪れる購入検討者も注目する部分です。
なお、査定前の高価なハウスクリーニングは不必要です。これについてはこの後お話しします。
安価な修繕
設備に故障があり、それが安価に直せるものであるなら、事前に修繕しておくと良いでしょう。
設備の状態は査定で評価されるポイントのひとつだからです。修理しておくことで評点のマイナスを防ぐことができます。
簡単に直せる設備としては、
- 畳
- 障子
- ドア
- 壁紙
- 空調設備のフィルター
などが挙げられます。査定前にチェックしておくと良いでしょう。
また、付帯設備表も参考になります。
修繕できそうなところをピックアップしましょう。ただし、高額な修繕費になる場合は、査定額が思うほど上がらず、赤字になる可能性が高いので注意が必要です。
高額査定のために事前にやらなくていいこと・やってはいけないことは?
リフォーム・リノベーション
マンション査定前に原則としてリフォーム・リノベーションは不要です。
リフォームへの投資額をリターンが上回ることが少ないからです。リフォームに300万円投資しても査定額が300万円上がるとは限りません。
また、リフォームを期待していない買主が多いです。全宅連の「2017年 土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果」では、中古物件の購入検討者のうち「リフォーム済みが欲しい」と回答したのは13.6%のみです。一方で「必要があれば行いたい(住み始めてから自分で判断したい)」と回答した検討者は53.1%でした。
参照元:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会「2017年 土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果」
これらの点を考慮すると査定前にリフォームするのは得策ではないといえます。
ただし、例外として、リフォーム前の金額が非常に低い物件が挙げられます。築年数が過度に経過するなどして価格が安くなっている物件はリフォーム費用を回収しやすいです。
例えばリフォームで500万円価値が増加するとして、4,000万円の物件が4,500万円になればその伸びは12.5%ですが、500万円の物件が1,000万円になればその伸びは100%です。もともとの価格が安い物件はリフォームにおける伸びしろが大きく、これにより査定金額が大幅に増加する可能性があります。
ハウスクリーニング
先ほどお話ししたように、査定のためのハウスクリーニングは不要です。
査定担当者は部屋・設備自体の劣化を見ているので、清掃されているかどうかで評点は変わりません。
ハウスクリーニングが重要になってくるのは査定前ではなく、内覧前です。
ハウスクリーニングによって部屋の見た目が美しくなれば、購入希望者に良い印象を与えることができるでしょう。
スムーズに買主を見つけるために内覧前にハウスクリーニングを依頼するのは良い選択肢です。
物件の欠陥の隠蔽
物件の欠陥を隠してはいけません。
物件にはさまざまな目に見えない欠陥があるでしょう。それらを伝えないほうが、査定額が上がるのではないかと思うかもしれませんが、これは絶対にやってはいけません。
売主は買主に対して「契約不適合責任」を負います。
参照:(改正後)民法562条
2020年の民法改正以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていました。
参照:一般財団法人 住宅金融普及協会「改正前民法の「瑕疵担保責任」とは?」
トラブルを避けるために、物件の欠陥は査定時にすべて伝えましょう。
物件そのものの物理的欠陥だけでなく、法律・環境・心理的欠陥も含みます。
法律的欠陥 | 物件に取り決められた法律上の制限など |
---|---|
環境的欠陥 | 周辺の騒音や振動など |
心理的欠陥 | 物件での自殺や殺人など |
【まとめ】注意点を把握して、まずは一括査定!
マンション査定における注意点を紹介しました。
査定にあたってやるべきこと・やらなくていいことのポイントをおさえたら実際の査定手続きに進みましょう。
すでにお話ししたように、不動産会社は一社に絞ってはいけません。
一括査定サイトを利用してマンション査定に成功してください。