マンションの訪問査定では何をする?当日の流れ
- 2026.08.21
- マンション査定
訪問査定では、不動産会社の担当者がマンションを訪れ、住戸内や共用部分の状態を確認し、売主へのヒアリングや資料確認を行います。売主がすることは、現況を確認できるようにし、分かっている不具合やリフォーム・設備交換の履歴、売却希望などを伝えることです。査定のために部屋をモデルルームのように整える必要はありません。現状を正しく見てもらい、必要な情報を伝えることが大切です。特別に構える必要はなく、確認される場所と聞かれる内容を把握しておけば、当日は落ち着いて対応できます。
訪問査定当日の大まかな流れ
- 売主へのヒアリング
- 住戸内の確認
- 窓・バルコニー・眺望・周辺状況等の確認
- 共用部分の確認
- 管理・修繕情報等の確認
- 売主からの質問・今後の説明
実際の順番や確認範囲は、不動産会社やマンションによって異なります。
| 確認する場所・内容 | 主な確認内容 | 売主がすること |
|---|---|---|
| 住戸内 | 間取り、内装、水回り、設備、建具、採光、通風、不具合等 | 不具合やリフォーム履歴を分かる範囲で伝える |
| 窓・バルコニー | 日照、眺望、周辺状況、騒音等 | 時間帯による騒音など、気になる点があれば伝える |
| 共用部分 | エントランス、廊下、エレベーター、駐輪場、ゴミ置場、セキュリティ設備等 | 基本的には担当者の確認に任せる |
| 管理関係 | 管理費・修繕積立金、管理規約・使用細則、長期修繕計画、大規模修繕履歴等 | 手元に資料があれば提示する |
| ヒアリング | 売却希望、購入時期、修繕・設備交換、不具合、住んで分かる情報等 | 分かる範囲で答え、分からないことは無理に答えない |
訪問査定は「見る・聞く・確認する」で現地情報を増やす
訪問査定は、机上のデータだけでは分からない情報を現地で確認し、査定判断の材料を増やすために行われます。担当者が室内を見るだけでなく、売主から話を聞き、共用部分や管理に関する情報を確認することも含まれます。
売主へのヒアリングでは、住んでいる人だから分かる情報を伝える
担当者からは、売却を検討している理由や希望する売却時期、購入時期、リフォーム・設備交換の履歴、住んでいて気づいた不具合などを聞かれることがあります。騒音や臭気のように、訪問した時間だけでは判断しにくい情報も重要です。
質問内容は不動産会社や物件によって異なり、すべてを細かく説明しなければ査定できないわけではありません。分かっていることを事実として伝え、分からないことは「分からない」と答えて問題ありません。
所要時間は物件や確認範囲で変わるため、予定を組む前に確認する
訪問査定の所要時間は一律ではありません。住戸の広さ、確認する共用部分、手元の資料、ヒアリング内容などで変わります。予定を組むときは、依頼する不動産会社へ事前に所要時間の目安を確認しておくと安心です。
室内だけでなく、共用部分まで現況を確認する
マンションの訪問査定では、専有部分だけを確認するとは限りません。マンション全体の商品性を把握するため、エントランスや共用廊下などの共用部分も確認対象になります。
室内では、見た目のきれいさより住戸の状態を確認する
住戸内では、間取りや専有面積との整合、内装、水回り、設備、建具などの状態を確認します。あわせて、雨漏り跡や大きな不具合、リフォーム履歴、採光・通風、窓からの眺望、騒音・臭気なども確認材料になります。
ここで重要なのは、生活感の有無を採点することではありません。査定担当者が住戸の現況を把握できることが目的です。査定のためだけに大掃除や高額な修理、設備交換、リフォームを済ませる必要があるとは限りません。
共用部分では、マンション全体の状態を見ていく
共用部分では、たとえばエントランス、共用廊下、エレベーター、集合ポスト、駐輪場、駐車場、ゴミ置場、セキュリティ設備、建物外観などが確認されることがあります。すべての不動産会社が同じ場所を同じ方法で確認するわけではありませんが、住戸だけでは分からないマンション全体の状態を見るための確認です。
管理・修繕は、現地で見えない情報も確認材料になる
管理費・修繕積立金、管理規約・使用細則、長期修繕計画、大規模修繕履歴なども、査定や売却を考えるうえで確認される情報です。手元に購入時の資料、管理関連資料、リフォーム履歴が分かる資料などがあれば、確認に役立つ場合があります。
ただし、訪問査定のためにすべての資料を必ずそろえなければならないわけではありません。不足している資料があれば、何を後から確認すればよいか担当者に聞けばよいでしょう。
売主は良く見せるより、分かっていることをそのまま伝える
査定価格を高く見せたいからといって、設備の故障、雨漏り、騒音、臭気、過去の修理など、把握している不具合を隠すことは勧められません。訪問査定は「良く見せるための審査」ではなく、現状を正しく理解してもらうための確認です。
生活感があっても、現況と履歴が分かれば査定は進められる
たとえば築20年のマンションで、室内には普段どおりの生活感があるとします。売主から「5年前に給湯器を交換した」「3年前に浴室をリフォームした」「窓を閉めても特定の時間帯に道路音が聞こえる」と伝えれば、担当者は現地で見える状態と、売主しか知らない情報をあわせて確認できます。
このように、訪問査定で大切なのはモデルルームのように見せることではなく、査定担当者が現況を把握できることです。
- 査定担当者が住戸内を確認できるようにする
- 分かっている不具合を伝える
- リフォーム・設備交換の履歴を伝える
- 希望する売却時期があれば伝える
- 分からないことを無理に答えない
- 査定価格の根拠について質問する
- 査定結果がいつ・どのように届くか確認する
査定担当者への質問まで済ませると、その後を判断しやすい
訪問査定では、売主が質問する時間としても使えます。担当者から説明を受けるだけで終わらせず、査定結果を見るときに必要になる情報を確認しておくと比較しやすくなります。
査定価格だけでなく、その根拠を聞いておく
- どの成約事例を参考にする予定か
- この住戸の強みをどう見ているか
- 価格に影響しそうな弱点は何か
- 現在の競合物件をどう見ているか
- どのような購入希望者を想定しているか
査定価格は金額だけでなく、どのような情報をもとに判断したのかを見ることが重要です。査定価格の考え方については、マンションの査定価格はどう決まるかも参考になります。
訪問が終わっても、その場で査定価格が確定するとは限らない
現地確認の後、不動産会社が住戸や共用部分で確認した内容と、成約事例、市場状況などをあわせて検討し、後から査定結果を提示する場合があります。結果が出るまでの期間や連絡方法は不動産会社によって異なるため、当日に確認しておくとよいでしょう。
訪問査定で準備すべきことは「現況を見てもらう」「分かっている情報を伝える」「分からないことを確認する」の3つです。部屋を良く見せることより、担当者が住戸とマンションの状態を正しく把握できることを優先してください。
参考資料
- 池田浩一『知りたいことが全部わかる! 不動産の教科書』株式会社ソーテック社