マンション売却における「仲介」とは?仲介手数料の相場についても解説

- 2021.08.06
- マンション売却
マンション売却には「仲介」と「買取」があります。
仲介は、不動産会社が売主と買主の間に入って、契約を成立させます。
買取は、不動産会社が売主となって直接不動産を買い取ります。
今回は、仲介の仕組みだけでなく、仲介手数料の相場についてもみていきます。
マンション売却における仲介
マンション売却をするためには、物件の広報活動や内覧、各種手続きなどを行わなければいけません。
それらの業務を売主自身ですべて行うのは、難しいでしょう。
そういった売却活動を、不動産会社に代行してもらうのが「仲介」です。
売主は、仲介業者が買主を見つけて売買契約を締結した時に、成功報酬として仲介業者に対して仲介手数料を支払います。
媒介契約の種類
不動産会社に売却活動を依頼するには、「一般媒介契約」と「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の3種類契約が存在します。
それぞれ契約内容や決まりが異なります。
以下は、3種類の媒介契約の違いを表にしたものです。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
依頼できる不動産会社 | 複数社に仲介を依頼することができる | 1社のみと契約 | 1社のみと契約 |
契約期間 | 定めなし | 最長3カ月 | 最長3カ月 |
レインズ(※1)への登録 | 定めなし | 契約成立後7日以内に登録の義務 | 契約成立後5日以内に登録の義務 |
販売状況の報告義務 | 定めなし | 14日に1回以上 | 7日に1回以上 |
自己発見取引(※2) | あり | あり | 禁止 |
(※1)レインズ…国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する不動産情報のネットワークシステム
(※2)自己発見取引…売主が仲介業者を介さず、自ら買主を見つけること
それぞれの契約にはメリットとデメリットがあります。
一般媒介契約のメリットとデメリット
一般媒介契約のメリットは、複数社に仲介を依頼して買主探しができることです。
また、レインズへの登録が義務ではないので、マンションを売却中であることが公にしたくない場合は、メリットといえるでしょう。
一方で、不動産会社からすると、一般媒介契約は複数の不動産会社に依頼ができることから、自社で売却が決まるとは限りません。仲介手数料は売買契約が締結することで得られるため、もらえるか分からない場合、積極的な売却活動 を行いにくいという可能性もあります。売却活動とは、折込広告やインターネットなどで購入希望者を募ることです。
専任媒介契約のメリットとデメリット
専任媒介契約は、不動産会社による販売状況の報告義務があります。
また、一般媒介契約に比べて、積極的に売却活動を行ってもらえます。その理由として、不動産会社にとって、売主が他社と契約することができないため、仲介手数料を得やすいからです。
しかし、1社のみに仲介を依頼するため、営業力のない不動産会社を選ぶと、なかなかマンションが売れない可能性があります。
専属専任媒介契約のメリットとデメリット
専属専任媒介契約は、専任媒介契約よりさらに不動産会社の報告頻度がさらに高くなります。
また、一般媒介契約と専任媒介契約と違い、売主が自ら買主を見つける自己発見取引が禁止されています。
そのため、不動産会社にとっては必ず仲介手数料をもらえるため 、専任媒介契約に比べても、積極的に売却活動を行います。
しかし、自己発見取引が禁止されているため、売主はすべて不動産会社に任せることになります。
本当に信頼のできる不動産会社とだけ媒介契約を結ぶことをおすすめします。
マンション売却は仲介と買取どちらが良い?
では、マンション売却においては、仲介と買取どちらが良いのでしょうか。
買取は、不動産会社が売主となり、直接マンションを買い取ってくれます。
そのため、売主を探すための期間がなく、短期間で現金化できるといったメリットがある一方で、
売却代金は仲介に対して7~8割程度になるといわれています。
仲介に比べて売却価格が安くても、早く現金化したい方に向いています。
仲介は、買主が一般の 顧客になるので、購入希望者が見つかるまでは、売ることができません。
時間をかけて納得のできる高い価格で売りたい人に向いています。
マンション売却における仲介手数料の計算方法
仲介手数料は、不動産会社が売主を探し、売却を成立させ、売買契約締結まで結びつけたことに対して支払う報酬です。売買契約が成立したときにはじめて発生する成功報酬のため、売主が見つからないと支払う必要はありません。
マンション売却の仲介手数料はいくらぐらいなのでしょうか。仲介業者に依頼する前に、計算方法や相場を知っておきましょう。
仲介手数料の計算方法
不動産会社が顧客に対して請求できる仲介手数料には、法律によって上限が定められています。
売買価格の金額を分割して、それぞれにかかる手数料を足したものが合計の仲介手数料です。
- 売買価格のうち、200万円以下の部分
- 取引額(税抜)×5%+消費税
- 売買価格のうち、200万円超え400万円以下の部分
- 取引額(税抜)×4%+消費税
- 売買価格のうち、400万円超えの部分
- 取引額(税抜)×3%+消費税
つまり、例えば売買価格が950万円の場合、
200万円×5%=10万円
200万円×4%=8万円
550万円×3%=16万5,000円
(10万円+8万円+16万5,000円)+消費税=仲介手数料
となります。
これを簡易的に一度で計算する方法もあります。
- 売買価格が200万円以下
- 取引額(税抜)×5%+消費税
- 売買価格が、200万円超え400万円以下
- 取引額(税抜)×4%+2万円+消費税
- 売買価格が、400万円超え
- 取引額(税抜)×3%+6万円+消費税
つまり、先程の950万円は
950万円×3%+6万円+消費税
で計算することができます。
上記の仲介手数料は、あくまでも上限なので、不動産会社によってはより安い金額を設定しているケースもあります。
仲介手数料に関する注意点
仲介手数料に関して、以下のような場合に注意しましょう。
マンションの売買が成立していなくても仲介手数料が発生するケース
前述したとおり、仲介手数料は売買契約が成立してはじめて発生するものです。
しかし例外的に、売買が成立していなくても仲介手数料が発生する場合があります。
- 売買契約締結後に、売主の事情で契約解除する場合
- 売買契約締結後に、契約違反などによって、契約解除された場合
例えば、売買契約締結後に、心変わりしたり、次の家の購入が遅れていて引っ越せなかったり、自己都合でやめようとする場合があります。
これらは、売主側の事情により解除しているため、仲介手数料を支払う必要があります。
火災や地震、また住宅ローンが通らない場合などは、白紙解除することができます。
不動産会社が仲介手数料を多く得るための「囲い込み」
不動産会社は、売主側と買主側の両方からそれぞれ仲介手数料を得ることができます。
囲い込みとは、他の不動産会社からの申し込みを受け付けないように偽の情報を伝えたりすることです。
つまり、物件情報を公開して、他の仲介業者が購入希望者をみつけても、自社で売主をみつけて仲介手数料を得ようとします。
売主からすると、せっかく購入希望者がいても売れないことになってしまいます。
囲い込みを避けるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
また、一般媒介契約で複数の不動産会社に依頼することで、囲い込みを避けることもできます。
マンション仲介業者の選び方
仲介では、マンション売却を依頼する仲介業者選びが大切です。
マンション売却を成功させるためにも、仲介業者を選択する時のポイントをおさえておきましょう。
自分のマンションの条件に合っているか確認する
マンション売却は、当然マンションを多く取り扱っており、売却が得意な不動産会社に仲介を依頼する必要があります。
不動産会社によっては、一戸建ての売却が得意な会社や、土地の売却に特化している会社もあります 。
企業ホームページや不動産ポータルサイトで、その不動産会社が得意としている分野を把握しましょう。
過去の売却実績を確認するのも良いでしょう。
また、地域によっても変わります。
全国で手広く仲介をしている不動産会社もありますし、自分の住んでいる地域に特化している不動産会社もあります。
複数の不動産会社を比較して、自分の条件に合った不動産会社を選びましょう。
一括査定サイトを利用すれば、簡単に比較することができます。
大手か地場中小か
仲介業者を選ぶとき、知名度や売却実績がある大手のほうが、安心できると思いがちです。
しかし、安易に大手を選ぶのはおすすめしません。
特に地方だと、地場中小のほうがその地域でのマンション売却が得意な場合もあります。
両者どちらも良い面があるので、自分が何を求めているかで、大手と地場中小の両方を比較して選択しましょう。
マンション売却で失敗しない不動産会社選びは、こちらをご覧ください。
複数の不動産会社を比較する
自分の条件に合った不動産会社を選択するためにも、複数の不動産会社を比較しましょう。
1社だけに相談すると、その不動産会社が本当にマンションの売却を成功させてくれるのか、判断することが難しいです。
しかし、仲介業者を選ぶとき、それぞれの不動産会社に個別で問い合わせて交渉して、と手間がかかります。
一括査定サイトでは、簡単に複数の不動産会社に問い合わせることができるため利用してみるのも良いでしょう。